- 日の出みりんコラム
調理を始めようとした際に、「砂糖が無い!」「途中で足りなくなった!」という経験や砂糖不使用で調理したい、と考えたことはないでしょうか。
または、「本みりんが無い!」という経験はないでしょうか。本みりんと砂糖は、どちらも料理に甘みを加えることができる調味料のため、本みりんで砂糖の代用ができるのではないかと思われている方もいるでしょう。
この記事では、砂糖の代わりに本みりんを使用したい場合、どのような方法で代用できるのか、砂糖と本みりんの特徴や代用の際の注意点についてご紹介します。
目次
本みりんと砂糖はどう違う?それぞれの特徴をチェック!
本みりんも砂糖も料理に甘みを加えられる調味料ですが、それぞれ異なる特徴をもっています。代用について紹介する前に、それぞれどのような特徴のある調味料なのか整理しましょう。
本みりんの特徴
本みりんは、ブドウ糖やオリゴ糖などの多種類の糖類で構成されています。そのため、まろやかな甘みを感じるのが特徴です。
さらに本みりんには、糖類に加え、アミノ酸も含まれています。アミノ酸は、特有のうまみや香りの成分です。まろやかな甘みだけでなく、うまみも加えられるのが本みりんの特徴といえます。
砂糖の特徴
砂糖は、ショ糖のみで構成されるため、強い甘みを感じます。甘みを足したいときに活躍する調味料ですが、入れすぎると食材本来の味よりも甘みが勝ってしまい、味がわかりづらくなることもあるので入れすぎには注意が必要です。
砂糖がないときに本みりんで代用できる?
砂糖を切らしてしまったとき、家にある本みりんで代用できるのでしょうか。結論からいいますと、本みりんは砂糖の代用になります。ここでは、砂糖の代わりに本みりんを使用する場合の代用方法や注意点について見ていきましょう。
砂糖代わりの本みりんにはメリットが多い!
本みりんは、砂糖の代わりに使えるだけでなく、メリットもあります。
まず、本みりんの糖質は、砂糖よりも低くなっています。
大さじ1杯当たりの糖質量(g) | |
本みりん | 7.8 |
上白糖 | 8.9 |
出典:参考「日本食品標準成分表(八訂)」
本みりんだと、砂糖と同じ分量を使用したとしても、糖質を抑えることができます。糖質が気になる場合は、調理の際に本みりんを使用することをおすすめします。
また、本みりんはまろやかな甘みが特徴の調味料です。上品な味付けに向いていますので、料理によっては本みりんを使用したほうが複雑で奥行きのある甘さを付けることができます。
本みりんと砂糖の分量
砂糖の分量を本みりんに置き換えてしまうと、糖質量が異なるため、思ったような味にならないことがあります。
砂糖の代わりに本みりんを使用する場合は、砂糖大さじ1に対し、「日の出本みりん」であれば大さじ3を目安にすると良いでしょう。
ただし、人それぞれ甘さの感じ方は異なります。あくまで目安の数値ですので、少し甘いと感じたら量を減らして、甘さが足りないと感じたら少し量を増やすなどして、調整してみてください。
注意点
みりん(みりん類全般)にはいくつか種類があり、本みりんのほか、みりん風調味料やみりんタイプ調味料(発酵調味料)があります。
このうちみりんタイプ調味料には、原料に塩分が含まれています。砂糖の代用として使用するときは、塩分が含まれていない、本みりんかみりん風調味料を選ぶようにしましょう。
また、先述したように、本みりんと砂糖は糖質量や風味に違いがあります。
代用する際の分量を目安に、味見をしながら必要に応じてみりんを加えるようにしましょう。みりんを使ってもコクが足りないと感じたときは、米由来のコクがある料理酒を加えてみてください。
本みりんがないときに砂糖で代用できる?
砂糖がないときは、本みりんやみりん風調味料が代用として使えると説明してきました。それでは、反対に本みりんがないとき、砂糖は代用になるのでしょうか。
結論を申し上げますと、砂糖では本みりん本来の効果は期待できません。
砂糖は甘みを加えるのに役立ちますが、本みりんがもつまろやかな甘みは再現できませんし、うまみも加えることはできないためです。
「本みりん」とレシピに記載がある場合は、必ず本みりんを使用するようにしましょう。
料理で砂糖と本みりんをうまく使い分けるには
ここまで、本みりんは砂糖の代用になるか、逆に砂糖は本みりんの代用になるかを説明してきました。結論、砂糖は本みりんの代用にはなりませんが、砂糖もみりんも必要な調味料であることに変わりありません。
砂糖と本みりんがある場合は、料理に合わせて、その特徴を活かして使い分けるのがおすすめです。砂糖や本みりんはどのようなときに使用すると良いのか、砂糖と本みりんの使い分けの方法について紹介します。
砂糖を使うのがおすすめの場合
砂糖を使うと良いのは、しっかり甘みをつけたいときです。砂糖はショ糖100%で構成されており、料理に純粋な甘みを加えたいときに向いています。
本みりんを使うのがおすすめの場合
本みりんは、先述したように、砂糖の甘さとは異なり、複数の糖類が含まれているためまろやかな甘みを付けることができます。また、本みりんにはうまみ成分が含まれていますので、コクや風味をアップさせたいときにもおすすめです。
ほかにも、本みりんはてり焼きや煮込料理で活躍します。本みりんの複数の糖類が食材にてり・つやを出してくれるためです。本みりんを使用することで、見た目も楽しめる料理ができます。
また、煮崩れ防止にも本みりんが効果的です。本みりんには糖類のほか、アルコールも多く含まれており、煮崩れを防いでくれます。煮物などの煮込料理にも本みりんを使用すると良いでしょう。
まとめ
砂糖と本みりんでは甘さのニュアンスが異なることから、その役割も異なります。また、本みりんと砂糖では同じ分量でも感じる甘さも違えば、糖質量も違います。
そして、食材に与える効果の観点でみると、本みりんは砂糖の代用として使えますが、砂糖では本みりんの代用にはなりません。本みりんは複数の糖類が含まれていることから、砂糖と比べ食材にてり・つやを与える効果が大きく、砂糖では同等の効果が得られないからです。
料理で使用する際は、それぞれの特徴を活かして取り入れてみましょう。