日の出みりんコラム

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みりんの効果はたくさん!どのように使えば料理はよりおいしくなる?

料理本やレシピ本に載っているので、とりあえず「みりん(みりん類全般)」を調味料として使っている人も多いのではないでしょうか。
普段使っているみりんをなんとなく使うのではなく、みりんの種類や効果を知って使うと料理の幅も広がるはずです。

なぜ料理にみりんを使うのか、みりんの効果やその効果を引き出す上手な使い方を紹介します。

みりん(みりん類全般)とはどのような調味料?

みりん(みりん類全般)にも種類があります。一般に販売されているみりんは、「本みりん」、「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料(発酵調味料)」の3種です。

みりんの違いって何?

※日の出調味料では、「日の出 本みりん」「日の出 新味料(みりん風調味料)」「日の出 割烹みりんタイプ」などの商品名で発売しております。

本みりん

本みりんは一般的に、米、米こうじ、焼酎(もしくは醸造アルコール)を糖化・熟成させて作られます。酒税法の定義ではエキス分40%以上、アルコール分15%未満で、酒類に該当するものです。
本みりんは、米のでんぷんが米こうじにより分解された多種類の糖類が含まれていることから、砂糖に比べるとまろやかな甘さが感じられます。芳醇な香りとエキス分によるうまみもあり、さまざまな調理効果が得られるのが特徴です。

特に、味の浸透が良く、甘みやてりを出しやすいことから、和食を中心に使われます。煮物などの料理におすすめです。

みりん風調味料

みりん風調味料は、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、酸味料などをブレンドし作られています。エキス分60%以上でとみりん類の中では糖分が一番多く甘みの強さやてり・つや効果が特徴です。アルコール分は1%未満で酒類に該当しません。

みりん風調味料は、本みりんと違いアルコール分がほとんどないため、たれやドレッシングなど加熱しない料理にも使えます。酒類ではないため、お子さまのいるご家庭や、20歳未満で一人暮らしをしている方にもおすすめです。

みりんタイプ調味料(発酵調味料)

みりんタイプ調味料は、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、食塩、アルコールなどを原料とした調味料です。

アルコール分は10%前後ですが、塩を加えて不可飲処置をしているため酒類には該当しません。
塩味が感じられるほか、本みりんのように生臭さを消したり、料理にてり・つやを付けたりできます。

「本みりん」を料理に使用したときの6つの効果

本みりんは、アルコール、こうじ菌の酵素の働きでできた糖類(オリゴ糖など)、アミノ酸(グルタミン酸など)、有機酸(乳酸など)、香気成分から構成されます。
これらの成分を含む本みりんは料理においてどのような役割を担うのでしょうか。本みりんを料理に使うことで期待できる効果を6つ取り上げていきます。

食材の臭みを取る

本みりんは、アルコールの蒸発による共沸効果と、醸造成分によるマスキング効果により、食材の臭みの軽減にも役立ちます。

共沸効果とは、アルコールが蒸発する際に、臭みの元となる成分に反応し、臭み成分も一緒に食材から取り除いてくれる効果のことです。アルコールは、熱が加わることで蒸発する性質があります。この蒸発とともに、食材の臭みも取り除かれます。

料理酒の役割-共沸効果イメージ

マスキング効果とは、臭みを覆い隠すことをいいます。具体的には、本みりんに含まれるさまざまな醸造成分や加熱により発生した成分などが臭みの元となる成分を覆い隠し、その臭みを感じにくくすることです。

日の出みりんのマスキング効果

食材の煮崩れを防ぐ

煮物料理では、肉や魚、野菜などの食材が崩れる「煮崩れ」が起きてしまうことがあります。これは、煮込むことで肉や魚の筋繊維が崩壊したり、野菜類のでんぷん粒が流出したりしてしまうためです。
本みりんに含まれる糖類とアルコールが食材の形を保つことから、水と糖類、あるいは水とアルコールのみを使用して煮込むよりも煮崩れが起きにくくなります。

コク深い味わいが出る

本みりんは、深いコクやうまみを付けるのにも役立ちます。本みりんのコクやうまみの元となっているのは、原料である米が分解されて作られたアミノ酸や有機酸や糖類といった成分です。
このようにアミノ酸や有機酸、さまざまな種類の糖類が複雑にからみあい、食材本来のおいしさを最大限に引き出します

まろやかな甘みを加える

本みりんを使うと、料理にまろやかな甘みが感じられます。本みりんは砂糖と違い、さまざまな糖類が含まれているためです。
砂糖の成分はショ糖のみで強い甘みがありますが、本みりんはオリゴ糖やブドウ糖などの複数の糖類で構成されるため、まろやかで奥行きのある仕上がりになります。

料理にてり・つやを加える

本みりんは、料理にてり・つやを出すのも得意です。本みりんに含まれている複数の糖類が食材の表面に膜を張って水分を保持するため、光に当たるとてり・つやが生まれます
清酒に砂糖をプラスしててり・つやを付けることもできますが、本みりんほどのてり・つやは出ません。料理の見た目を良くするためにも本みりんはおすすめです。

うまみを染みこませる

本みりんは、食材にうまみを染みこみやすくする役割もあります。本みりんには糖類やうまみ成分だけでなく、アルコール分も多く含んでいるためです。
アルコールは、食材に素早く染みこむ性質があります。さらに、アルコールが食材に浸透する際、周りの調味料やうまみまで一緒に食材に引き込んでくれます
本みりんを使うことで、食材にしっかり味が染みこみ、さらにおいしく仕上がります。

「みりん風調味料」を料理に使用したときの効果

みりん風調味料を料理に使用することでどのような効果を期待できるのでしょうか。本みりんを使用した場合との違いとも比較しながら紹介していきます。

本みりんよりも扱いやすい

みりん風調味料は、本みりんとは違って、アルコールをほとんど含みません。本みりんのように煮切ってアルコールを蒸発させる必要がないため、加熱しない料理にもそのまま使えます。
また、本みりんと同じようにブドウ糖やオリゴ糖などの糖類を多様に含んでいるので、加熱しない和え物やドレッシングなどに奥行きのある甘みを加えたいときに便利です。本みりんよりも使える幅が広く、扱いやすい点に特徴があります。

本みりんよりてり・つやが出る

みりん風調味料は、本みりんと比べて、てり・つやを出すのに優れています。本みりんよりも糖が多く含まれているため、より甘みを感じやすく、てり・つやも出しやすいためです。
本みりんにも、てり・つやを付ける効果が期待できますが、料理の見た目によりこだわりたいときに役立ちます。

「みりんタイプ調味料」を料理に使用したときの効果

みりんタイプ調味料は、本みりんのようにアルコール分を多く含んだ調味料です。本みりんと共通する効果もありますが、本みりんにはない効果もあります。ここでは、みりんタイプ調味料を料理に使用することによる2つの効果を見ていきましょう。

塩味が加えられる

みりんタイプ調味料は、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料などの原料に加え、食塩が添加されています。本みりんとの大きな違いは、塩味があることです。
料理にうまみやコクのほか、塩味を付けたいときにはみりんタイプ調味料が向いています。調理の際に食塩などを使用するときは、塩分を調整して使いましょう

肉や魚の臭みを消す

みりんタイプ調味料は食塩を加え、加塩発酵を行うため、酒類に分類されていません。しかし、本みりんのように多くのアルコール成分などが含まれていることから、本みりんでも説明した共沸効果やマスキング効果があります。

共沸効果とは、アルコールが蒸発する際に、臭みの元となる成分に反応し、臭み成分も一緒に食材から取り除いてくれる効果のことでマスキング効果とは、臭みを覆い隠すことをいいます。これらの共沸効果やマスキング効果により、食材の臭みを消す効果が期待できます。

みりんの効果を引き出す上手な使い方と保存のポイント

ここまで、みりんの種類である、本みりん、みりん風調味料、みりんタイプ調味料のそれぞれの特徴と効果について説明してきました。それでは、これら3つのみりんは種類ごとにどのように使い分けるのが良いのでしょうか。
みりんの効果を引き出すための上手な使い方やみりんを投入するタイミング、みりんの保存方法といった、みりんをうまく使いこなすポイントを紹介します。

みりんの種類や食材に合わせた使い方を意識

本みりんを使用する際は、料理のはじめの方に投入するようにします。本みりんはアルコール度数が高いため、アルコールの浸透によりうまみを染みこませたりするには早い段階で入れた方が良いでしょう
はじめの方に投入することで、本みりんがもつ甘みやうまみをうまく引き出すことができます。

みりん風調味料を使用する際は、本みりんのようにアルコールが含まれていないため、料理の最初の方に入れても良いですし、後に投入してもかまいません。みりん風調味料は煮きる必要がないので、味の調整としても重宝します

また、料理の種類によって投入のタイミングや使い方を変えることで、みりんの良さをさらに引き出すことができるでしょう。たとえば、煮物は食材を煮込む前に加えることで食材の煮崩れを防ぐとともに食材に味が染みこみやすくなりますし、食材の臭みも飛ばしてくれます。
魚や肉などのてり焼きを作るときは、しっかり煮詰めて水分を飛ばすと良いでしょう。じっくり煮詰めることで、とろみやてり・つやが出てきます。

みりんを使ったレシピをcheck

保存方法に注意

みりんのうち、本みりんとみりんタイプ調味料はアルコールが含まれていますので、開栓前・開栓後は直射日光のあたらない冷暗所で保存するようにしましょう。
また、本みりんやみりんタイプ調味料は糖分を多く含むため、冷蔵庫に入れないようにしましょう。低い温度で保存すると、糖分が白く結晶化してしまうことがあります。

一方、みりん風調味料は、本みりんやみりんタイプ調味料と異なり、アルコールをほとんど含んでいません。同じように、開栓後に常温で保存すると劣化を早めてしまいます。そのため、開栓後は冷蔵庫で保存するのがポイントです。

まとめ

みりんにも、本みりん、みりん風調味料、みりんタイプ調味料と種類があります。それぞれ、特徴や効果に異なる部分がありますので、料理に合わせて使い分けるのがおすすめです。

今回紹介した使い方や保存方法も確認しながら、みりんを日々の料理にうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。

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