日の出料理酒コラム

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料理酒は日本酒や本みりんで代用できる?

料理をしようと思ったときに、「料理酒がない!」という経験や、他の調味料で代用できるのでは?と考えられたことはないでしょうか?特に、日本酒や本みりんは料理酒に似た調味効果を持つ部分も多く、料理酒の代わりに使えるのでは?と思われた経験のある方も多いでしょう。この記事では、料理酒の調味効果をご紹介した上で、料理酒が日本酒や本みりんで代用できるかどうかについてご紹介いたします。

 

料理酒はどんな調味効果がある?

そもそも、料理酒は料理においてどのような役割を担うのでしょうか。ここでは、料理酒を入れることで期待できる4つの調味効果をご紹介します。

食材の臭みを取る

料理酒は、アルコールと一緒に蒸発させる共沸効果、有機酸の各種作用による消臭効果、
また醸造成分によるマスキング効果があります。これは、料理酒に含まれるアルコールと醸造成分が影響しています。

調理の際、料理酒を入れて加熱すると料理酒に含まれるアルコールが蒸発します。その際、アルコールが臭みの元と一緒に蒸発することで、臭みを食材から取り除く効果があります。これを共沸効果と呼びます。

料理酒の役割-共沸効果イメージ

また、料理酒に含まれる様々な醸造成分や加熱により発生した成分などは臭みの元となる成分を覆い隠し、その臭みを感じにくくすることにも役立ちます。これをマスキング効果と呼びます。

 

 

このように、料理酒を入れることで共沸効果とマスキング効果の2つの効果が発揮され、食材の臭みが軽減されるため、料理をおいしく仕上げることができます。

うまみやコクを付ける

料理酒は、料理にうまみやコクを付けることにも役立ちます。うまみやコクの元となっているのは、料理酒の原料である米が分解されて作られた有機酸やアミノ酸といった成分です。これらの成分が、素材のおいしさを最大限に引き出します。

食材を柔らかくする

料理酒は、食材を柔らかく仕上げることにも役立ちます。一般的に食材を加熱調理するとたんぱく質が収縮するため食材が固くなってしまいますが、料理酒に含まれるアルコール塩分、有機酸などが食材の保水性を高めるため、食材が固くなるのを防ぎます。

 

※写真は鶏肉を蒸す際に、料理酒に漬けこむと仕上がりに変化が出るかを比較したものです。料理酒に漬け込む事で、鶏肉の水分を保ち、しっとりと柔らかく仕上げることができます。

うまみを染みこみやすくする

料理酒は、食材にうまみを染みこみやすくすることにも役立ちます。料理酒に含まれるアルコールには、食材へ素早く浸透する性質があります。そのため、周りの調味料やうまみ成分もアルコールと一緒に浸透し、早く均一に味が染み込みます。

 

ほかの調味料で代用できるか

ここまでご紹介してきたとおり、料理酒には主に4つの調味効果があります。これらの調味効果を失うことなく、日本酒や本みりんで代用することはできるのでしょうか?

日本酒

日本酒を製造する際は、お米の外側をしっかりと削る精米作業を行います。お米の外側に含まれるアミノ酸は料理を作る際にはおいしく仕上げてくれるうまみ成分となりますが、飲用時には雑味となってしまうため、飲用の日本酒では精米を行い、すっきりとした味わいに仕上げています。そのため、日本酒を料理に使用したとしても、料理酒ほどの調味効果を得ることはできません。特に、うまみやコクを与えるという点では料理酒の方が優れているため、料理酒を使用するか、料理専用に製造された料理清酒を使用するようにしましょう。

 

本みりん

本みりんは、料理酒の持つ4つの調味効果が得られる調味料ですが、その他に料理にまろやかな甘みを加える、てり・つやを付与するという調味効果があるため、料理酒の代用としては使用できません。本みりんは主に甘み付けをする調味料ですので、煮物やスイーツを作る際に向いています。本みりんについてより詳しく知りたい方は、下記よりご覧下さい。

 

「本みりん」とは

まとめ

ご紹介してきたように、料理酒は「食材の臭みを取る」「うまみやコクを付ける」「食材を柔らかくする」「うまみを染みこみやすくする」という主に4つの調味効果を持つ調味料です。日本酒では代わりに使用頂いても問題はありませんが、特にうまみやコクにおいては料理酒ほどの調味効果を期待することはできません。本みりんは料理酒の調味効果以外にも甘みがついてしまう調味料ですので、料理酒の代用には向いておりません。そのため、レシピに「料理酒」と記載がある場合は、料理酒か料理専用に製造された料理清酒を使用するようにしましょう。