日の出みりんコラム

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煮物以外の使い方も!みりんの使い方と料理をおいしく仕上げる方法

「みりん(みりん類全般)の使いどころがよくわからない」、「みりんを使ってもなかなか味が決まらない」などと悩んではいませんか。みりんといえば、煮物料理を思い浮かべる人も多いかと思いますが、みりんの使いどころは煮物料理ばかりではありません。

みりんの特性を知っていれば、煮物以外の料理でもうまく取り入れられるようになります。みりんはどうやって使えば良いのか、今回は、みりんの使い方のポイントやみりんの種類ごとの使い分けについて見ていきましょう。

本みりんの効果と使い方は?

本みりんを料理に取り入れることで何が変わるのか、本みりんの効果や使い方を紹介します。

肉や魚の臭み消しに

本みりんは、アルコールを含む調味料です。アルコールが加熱によって蒸発する際に、臭みの元となる成分に反応し、臭み成分も一緒に食材から取り除いてくれるため食材の臭みを和らげることができます。(共沸効果)

また、本みりんに含まれるさまざまな醸造成分や加熱により発生した成分などが臭みの元となる成分を覆い隠し、その臭みを感じにくくします。(マスキング効果)

このようなことから、本みりんは臭みの強い肉や魚を使った調理の際にもおすすめです。

食材の煮崩れを防ぐ

食材を煮込むことで、食材が煮崩れを起こしてしまうことがあります。本みりんは、このような煮崩れを防ぐのにも便利です。理由は、本みりんに含まれるアルコールと糖類が、食材の形を保ち、崩れるのを防止してくれるためです。

煮崩れしやすいじゃがいもの煮込み料理など、弱火でコトコト煮る料理を作る際にも本みりんはおすすめです。

甘みを加えてうまさを引き出す

本みりんは、料理にまろやかな甘みを加え、うまさを引き出すのが得意な調味料です。砂糖の強い甘みとは違い、複数の種類の糖によって、まろやかな甘みが料理を奥行きのあるものにしてくれます。

また、本みりんは糖類だけでなく、アルコールや多種類のアミノ酸を含んだ調味料です。アミノ酸などのうまみ成分が複雑にからみ、深いコクとうまみを引き出してくれます。

料理に甘さやうまみを加えたいときにも本みりんはおすすめです。

料理にてり・つやをプラス

本みりんに含まれる糖類は、料理にてり・つやを与えてくれる成分です。食材にてり・つやが加わるので、見た目もおいしそうな料理に仕上がります。

砂糖でもてり・つやは付けられますが、本みりんを使用したときのようなてり・つやではありません。

みりんは種類ごとに使い分けることが大切

一般的に「みりん(みりん類全般)」として市販されている調味料は、「本みりん」、「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料(発酵調味料)」、の3つに分類されます。みりんを料理に取り入れる際は、みりんの種類ごとに使い分けるのがおすすめです。

みりんの種類で使い分けることで料理の幅が広がります。みりんの種類で何が変わるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。

本みりん

本みりんは、米・米こうじ・焼酎(もしくは醸造アルコール)を糖化・熟成して作られます。

アルコールを原料にしていることもあり、本みりんのアルコール含有率は14%前後です。酒類に分類され酒税対象になっています。昭和30年頃までは高級品として高い酒税率となっていましたが、その後何回かの酒税法改正により減税され、現在に至ります。

本みりんは、アルコールを多く含む調味料であることから基本的に加熱調理が必要です。ただし、煮きりみりんといって、本みりんを火にかけてアルコールを飛ばした状態にすれば非加熱調理にも使えますし、お子さまの口にする料理にも使えます。

みりん風調味料

みりん風調味料は、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、酸味料などを加えたものです。

エキス分60%以上で、優れた甘さがあります。アルコール分は1%未満しか含まれていないため、酒税法の対象には該当しません。

本みりんやみりんタイプ調味料のもつアルコールによる調理効果は期待できないものの、アルコール分がほとんど含まれないからこそ使いやすいのがみりん風調味料の特徴です。煮きりをせず、そのまま非加熱調理やお菓子のシロップなどに利用できます。

みりんタイプ調味料

みりんタイプ調味料の原材料には、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、食塩、アルコールなどを原料とし、上記2つと異なり、食塩が含まれます。

アルコール分は本みりんと変わらないくらい含まれていますが、塩分が添加されていることから酒税法の対象外になります。

料理にうまみだけでなく塩味を取り入れたいときもおすすめです。

みりんの使い方のポイント

みりんはどのように使うとその良さを引き出せるのか、どのようにして料理に取り入れると良いのか、使い方のポイントを紹介します。

「さしすせそ」の順番を守る

基礎調味料の使い方に、「料理のさしすせそ」があります。「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」は醤油、「そ」は味噌のことです。

料理を作る際は、調味料の浸透のしやすさなどの関係で、「さしすせそ」の順に入れるのが良いとされています。

それでは、ここに「みりん」を加えるとどうなるでしょうか。みりんは、基本的に「さしすせそ」の前か「さしすせそ」の後に加えます。

アルコールの作用を活用したいときは「さしすせそ」の前、料理の仕上げにはみりん風調味料や煮きりみりんをに入れましょう。なお、みりん風調味料を料理酒と一緒に使う場合は「さしすせそ」の前がおすすめです。

和食のベースとなる割合を活用する

みりん、料理酒、醤油の3つの調味料さえあれば、砂糖や塩がなくても本格的な和食を作ることができます。みりん、料理酒、醤油を使用した黄金比は次のとおりです。

黄金比さえ覚えておけば、料理にあわせててり焼きのタレやめんつゆなどを用意する必要はありません。みりん、料理酒、醤油、必要に合わせてだし汁を用意することで簡単に和食のベースが完成します。

【みりん:料理酒:醤油の黄金比の割合】

みりんと砂糖を両方使う

砂糖もみりんも料理に甘さを加える点では同じのため、「どちらを使っても良いのでは?」と感じるかもしれませんが、同じ甘みでも種類が違います。

みりんと砂糖の両方を使うことで料理のおいしさを引き立たせるのもひとつの使い方です。砂糖の主成分はショ糖で甘さが強く比較的短時間で甘さが引いていくことが特徴ですが、みりんはブドウ糖をベースに複数の糖類から構成されるため穏やかでまろやかな甘さとなり比較的長い時間甘みが持続します。

両方を使用することによって、より複雑で奥行きのある甘さを感じることができるでしょう。

みりんの使い方の裏技!料理をおいしくする一工夫にも

ここまでみりんの使い方とポイントを紹介してきましたが、具体的にどのように料理に取り入れると良いのでしょうか。いつもの料理、時短料理、お菓子作りの3つに分けて、みりんを使うポイントとレシピを紹介します。

いつもの料理に使う

だし巻き卵には、本みりんがおすすめです。甘さとうまみを感じられる本格的なだし巻き卵が作れます。

作り方は、割りほぐした卵に、だし汁と本みりんなどの調味料を加えてよく混ぜるだけです。調味料は最初に卵と混ぜ合わせるため、シンプルな工程で初心者でも挑戦しやすいです。

だし巻き卵のレシピはこちら

大人も子どもも楽しめるカレーにもみりんがおすすめです。以下に紹介するレシピでは、本みりんと料理酒を使用します。

料理に入れるタイミングは、お肉を炒めて、野菜を加えひと煮立ちさせた後です。カレー粉とコンソメと合わせて、本みりんと料理酒を投入します。

 

日の出みりん-すりおろし野菜カレー

 

野菜カレーのレシピはこちら

 

時短料理をワンランクアップさせる

時短で本格的な料理を作りたいときは、レンジで作るハンバーグはいかがでしょうか。このレシピでは、ハンバーグのタネとハンバーグソースの両方に本みりんを使います。

タネもソースも混ぜ合わせて作るため、投入のタイミングをあまり気にしなくて済みます。簡単においしいハンバーグを作りたいときにおすすめです。

レンチンハンバーグのレシピはこちら

お菓子にも活用できる

ホットケーキ-喫茶店風-日の出みりん

喫茶店風のホットケーキを作るなら、隠し味に本みりんを入れてみてはいかがでしょうか。ホットケーキの具材を混ぜ合わせるタイミングで本みりんを投入します。ふわふわのホットケーキが楽しめますよ。

ホットケーキの作り方はこちら

みりんのまろやかな甘みを楽しみたいなら、みりんプリンがおすすめです。みりんプリンは砂糖を使わないレシピで、プリンとプリンのシロップの両方に本みりんを使用して作ります。

このレシピでは、プリン自体を作るときも、シロップを作るときも、はじめに本みりんを入れて煮詰めるのがポイントです。

みりんプリンの作り方はこちら

まとめ

みりんの使い方は煮物料理だけではありません。みりんと料理酒と醤油の黄金比を使えばさまざまな和食のベースができますし、デザートの隠し味にも活用できます。今回紹介したレシピを参考に、ぜひみりんを幅広く活用してみてください。